ご祭神
愛宕(あたご)神社(じんじゃ)に祀(まつ)られている神様は火之迦(ひのか)具土(ぐつち)神(かみ)と申し、火を守る神様が祀られています。火は毎日の食べ物を煮炊(にた)きするため、灯りや暖をとるためなど生活に絶対必要なものです。また、一瞬に住宅が燃える悲惨な火事も火が原因です。火は人の生活に必要であり、また、時には不幸な原因となる火を司る、火防の神が愛宕神社の神様です。
ご由緒
愛宕神社の歴史は平安時代の朱雀(すじゃく)天皇(てんのう)の天慶(てんけい)元年(九三八)に平(たいらの)国(くに)香(か)という当時この地方を治めていた人が、京都の愛宕神社よりその霊を分けていただき、常陸(ひたちの)国(くに)府中(ふちゅう)(現石岡市)に修められました。
その後、長和三年(一〇一九)国香の子、大掾(だいじょう)貞(さだ)盛(もり)が旧水戸城内に安置し、その後に水戸城主となった江戸(えど)道(みち)勝(かつ)が元亀(げんき)年中(ねんちゅう)(一五七〇頃)水戸城中より場外三の丸に移しました。その後に、江戸氏を滅ぼした佐竹義宣(さたけよしのぶ)が天正八年(一五八〇)現在の場所に移し、その後には佐竹氏に代わって水戸の領主となった水戸徳川家に守られて、火(か)防守護(ぼうしゅご)の神様として、家内安全・良縁成就・健康厄除けなど開運の神として多くの皆さんの信仰を受けております。
境内地
境内地は、愛宕山古墳に位置し、約7,900㎡の広さがあります。この山は古くは三島山、またはその形から琵琶山と云われていました。全域が樹林で、静寂な佇まいです。当社は江戸時代には、幕府より朱印地(朱印状によって奉納された土地)十余石、及び水戸藩より除地(租税・課税免除地)五十余石を社地として寄進されました。明治維新に至り、国の改革に伴ってこれらを国に上納し、現在の境内地のみを残しました。